椎間板ヘルニアの治療

椎間板ヘルニアの治療

椎間板ヘルニアの治療は大きく分けて内科療法外科療法に分けられます。

内科療法

内科療法は脊髄の圧迫の軽度な子、症状の軽い子に対しておこなわれます。ただし、ダックスのような軟骨異栄養犬種はグレード2(不全麻痺で歩行可能)でも、CTなどの検査をおこなうと、圧迫は重度な場合もあります。このような子の場合、内科療法をおこなっても症状が進行したり、急に歩けなくなったりすることもあるため、このような犬種では今の症状が軽いからといって安心はできません。

内科療法の基本は安静になります。安静というのは散歩などに行かないという程度のものではなく、ケージレストといって、トイレなどに出すとき以外は、狭いケージの中でじっとさせておくというかなり積極的な安静が必要です。安静の期間は脱出した椎間板が安定する4〜6週間は必要となります。
また、内科療法では、NSAIDS(非ステロイド系消炎鎮痛剤)またはステロイドの内服やその他薬物、レーザーなどを併用する場合があります。ただし、口を酸っぱくしてお話ししますが、最も大切なのはケージレストによる安静で、薬物は補助的なものでしかありません。飼い主さんの中には薬は飲ませることで安心してしまい、ケージレストを守れない方がいらっしゃいます。確かに6週間ケージの中に入れておくのはかわいそうかもしれません。しかし、ケージレストが守れずに、一生歩けなくなることもありえるかもしれません。内科療法を選択した場合は、くれぐれもケージレストを守って下さい。
また、内科療法の場合、外科療法に比べると再発率が高い(1/3に再発がみられたという報告があります)ため、グレード3以上では外科手術をおすすめしています。

外科療法

外科療法はいわゆる手術のことです。外科療法で最も大切なことは、原因となっている椎間板の場所を特定することです。当然ですが、異なる椎間板の場所を手術しても改善はしません。
手術の場所を特定するためには、脊髄造影、CT、MRIなどの検査をおこないます。
当院では脊髄造影よりも、より正確に場所の特定ができるCT検査をおこなって、手術をおこなっています。
手術では、原因となっている脱出した椎間板物質を摘出しますので、術後にケージレストは必要としません。術後は早期にリハビリをおこなっていきます。

胸腰部椎間板ヘルニアグレード別・治療別回復率

グレードによる内科療法と外科療法の改善率の表を下にのせておきます。これは報告により、多少異なりますが、おおむね似たような数字になっています。ここに記載しているのは、僕がいつも飼い主さんにお見せしているものです。


グレード症状内科療法外科療法
グレード1疼痛のみ90%90%
グレード2不全麻痺、運動失調、歩行可能85%95%
グレード3麻痺、自力歩行不可85%90%
グレード4麻痺、自力排尿不可80%90%
グレード5深部痛覚消失<5%60%

この表を見て頂いてもわかるように、グレード4までは内科療法に比べて外科療法は10%程度改善率が高いだけです。ただ、グレード5になると、内科療法では改善率は5%以下で、外科手術でも改善率は60%程度です。また、ダックスのような犬種はグレード3や4から急にグレード5に進行する事があるので、当院ではグレード3以上では手術をおすすめしています。


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