放射線治療科

放射線治療とは、がん細胞に放射線を当てることでがん細胞を破壊し、がんを縮小させたり、進行を遅くするための治療です
放射線治療をはじめた理由
人のガンの治療には3大療法というものがあります。 その3つの治療は ①外科手術 ②放射線療法 ③化学療法(抗がん剤) です。 このうち、外科手術や化学療法は動物の治療においても比較的おこなわれていますが、放射線療法は施設的な問題から、なかなか現実的ではありませんでした。 それでも今までに比べれば放射線療法のできる施設も増えましたが、まだまだ少なく、通院の距離などの問題で、明らかに放射線治療の適応の子でも、なかなか治療が受けれないという現実がありました。
ALOHAでは多くの先生から検査や腫瘍の治療の依頼があります。 特に犬や猫の鼻腔の腫瘍や口腔内の腫瘍は比較的検査や治療の依頼の多い腫瘍です。 ただ、検査で鼻腔の腫瘍とわかっても、もっとも効果が期待できる治療は放射線療法になりますが、遠方まで行くのが難しいと言うことで、治療を受けれない動物たちもたくさんいて、その事に対して、自分たちが何もしてあげれないことにとてもつらい思いをしていました。
癌で苦しんでる動物たちや飼い主さんの力になりたいとずっと考えていました。 この地方の街でも専門的な治療をしてあげたい。 ずっとそう思ってました。
そのようなこともあって2020年1月に放射線治療の機械を導入する事にしました。 現時点で広島県内には当院だけの施設です。 少しでも癌で苦しんでる動物や飼い主さんのために使えればと思っています。
放射線療法の副作用
放射線療法には ・急性型副作用 ・遅延型副作用 の2種類があります。
急性型副作用 通常は治療開始から2〜3週間位からはじまり、プロトコールの終了後2週間程度でおさまります。 皮膚のふけや皮膚炎、脱毛などがおこります。重度の場合はやけどのような症状になります。
遅延型副作用 放射線治療後6〜12ヶ月後くらいに起こる副作用で脱毛や毛色の変化や重篤な場合は骨や皮膚の壊死を起こします。
放射線治療機について
放射線治療機には大きく分けて以下の二つがあります。
オルソボルテージ:500kV以下のもの メガボルテージ:1000kV以上のもの
当院にある放射線治療機はオルソボルテージで低出力のものです。 メガボルテージに比べると、深部の腫瘍への効果が期待できなかったり、皮膚への障害が出やすいなどの欠点もあり、適応できる腫瘍もメガボルテージに比べると少なくなります。
メガボルテージの治療を希望されるあるいはオルソボルテージの適応ではない場合は、メガボルテージの施設をご紹介いたします。
放射線治療の適応
放射線治療は以下のような子に向いています
①外科手術が難しい場所、外科手術の適応では無い場所に腫瘍がある 口腔内や鼻腔内などの手術で完全に摘出が難しい場所や足先などの摘出するのに皮膚が届かない場所に腫瘍がある場合などには適応になるます。ただし、腫瘍の種類などによって異なるので、事前に画像や細胞の検査をおこなって、適応かどうかの判断をします。
②細胞レベルの残存の腫瘍などに対して 手術はしたけど、病理検査でマージンがプラスで帰ってきたなどの場合で、再手術での摘出が難しい場合など、細胞レベルで残っている腫瘍をたたくために補助的におこないます。
③緩和的な放射線療法 生活の質の維持を目指しておこなう治療で、腫瘍による痛みの緩和や出血の抑制などのためにおこないます。

麻生 暁秀
ALOHA 院長/獣医師
目の前の1つ1つの命を助けたいという気持ちでやってきて、気がついたらたくさんの素晴らしいスタッフに恵まれていました。昔はウインドサーフィンやスノボー、ダイビングなどアウトドアのスポーツにはまっていましたが、最近は三線にはまっています(^-^)
獣医腎泌尿器外科学会認定医
AO VET Small Animal Principles Course 修了
AO VET Small Animal Advances Course 修了

杉原俊文
ALOHA 獣医師
かわいい動物たちの健康と、飼い主さまの安心を提供できるように頑張ります!
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動物医療センターALOHA
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