猫エイズのワクチン・・・本当に必要?

いろんなHPやブログで書かれているので、ご存じの方も多いと思いますが、今月の中旬に猫エイズウイルスのワクチンが日本で発売になります。
これはアメリカで発売されているものの全くの輸入ではなく、日本のエイズウイルスの株も使ったワクチンになっているそうです。臨床試験でも結構いい成績を出していますので、効果はある程度期待できるものではないかと思います。
多くの動物病院のHPでもこのワクチンの事が書いてあって、「外に出る子は接種しましょう」というような事が書いてあります。
でも本当にそのようにいい事ばかりを表に出して接種をどんどんすすめるようなワクチンなんでしょうか?
確かに外に出てエイズウイルスの感染機会がある子や同居猫にエイズウイルス陽性の子がいるおうちでは接種する意味はあると思います。
ただ、僕が非常に気になることは、この猫エイズのワクチンを接種した子は体内でエイズウイルスに対する抗体が産生されますが、このワクチン由来の抗体と野外感染(本当にエイズウイルスに感染した場合)の区別が病院内の検査でできないと言うことです。
病院で行うエイズウイルスの検査は抗体検査です。つまり体内にエイズウイルスに対する抗体があるかどうかを検査しています。この抗体はワクチンの接種でも、実際のエイズウイルスの感染でも同じように産生されますが、院内の検査では野外感染の抗体とワクチン由来の抗体の区別はできません。
猫エイズににた病気で猫白血病ウイルスによる感染がありますが、猫白血病ウイルスの検査は抗原(つまりウイルスが存在しているかどうか)を感知する検査ですから、ワクチンの影響はありません。
では猫エイズウイルスのワクチンでどのような問題が起こるかというと
・ワクチンの効果も100%ではないので、ワクチンを接種している子がたまたまワクチンが効いていなくて、野外で猫エイズウイルスに感染した場合に区別がつかなくなる(これは同居に猫エイズウイルスに感染した子がいる場合も同じです)
・外の猫を保護したときに、その子が検査で猫エイズ陽性になっても、本当に感染しているのか、あるいは過去にワクチン接種をしているかの区別がつかない
など今後検査の結果の判断に非常に混乱が起こることが考えられます。
メーカーではメーカーに検査を依頼するとPCRやその他の方法でかなり高い確率で野外感染とワクチン由来抗体の区別ができると言っています。しかし当然100%の検査ではないと思います。このあたりがクリアーになるまでは、猫エイズのワクチンが出ましたから接種しましょうとと僕は安易には言えません。とにかく、ワクチンメーカーの説明会が8月末に行われますから、そこでじっくり聞いてみたいと思います。


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