当院の痛みへの考え方や対応
日々の出来事 2025.08.28
動物医療センター・ALOHA 獣医師の安藤です。
前回の投稿から時間が空いてしまいましたが、伝えたい思いはまだまだたくさんありますので、今日からまた少しずつ書いていきたいと思います。
以前、当院のブログで院長も書かれているのですが、人でいう麻酔科医というのがまだ動物病院では一般的ではなく、一握りの病院だけが麻酔や鎮痛に力を入れているというのが現状です。
そこで今回は、当院の痛みへの考え方や対応について、お話したいと思います。
飼い主さんに、麻酔をかけて行なう処置や手術のお話をすると、ほとんどの方から「その処置や手術は痛くないですか?」と聞かれます。
麻酔をかけた処置や手術には、当院で実施が多いものだと、例えばCT検査、歯科処置、皮膚のしこりを取る、胸やお腹の中のしこりを取るなど、様々です。
そして、それぞれ痛みが起きる場所、痛みの強さが違います。
①どんな痛みがあるの?
CT検査は、麻酔で寝ている間に画像を撮る検査なので、痛みはほとんどありません。
ですが、麻酔をかける時に気管チューブという管を入れるので、それが喉の刺激になることがあります。
歯科処置は、飼い主さんご自身も歯医者さんで受けた時に感じたことがあるかもしれませんが、抜歯はもちろん痛みが強いですし、ブロック麻酔自体も針を刺す痛みがあり、歯周病があると、歯周ポケットを測るだけでも麻酔中に反応が見られる(=刺激になっている)ことも経験します。
皮膚のしこり、胸やお腹の中のしこりは、メスなどで切る範囲も様々ですが、小さくても痛みはあると私達は考えています。
②痛み止めには種類があるの?
人と同じように、動物に使う痛み止めにもいくつか種類があります。
それぞれ使うタイミングもあり、麻酔前、麻酔中、麻酔後と使い分けも行います。
ここで私達が一番大事にしていることは、痛み止めが切れる時間を作らないことです。
麻酔を担当する時は、事前にどんな手術をするか情報を見て、どこで、どの程度の痛みが起こりそうかを考えて、痛み止めを準備します。
◎麻酔前
これから行う処置や手術の痛みに対してと、気管挿管の刺激から守るために使います。
◎麻酔中
麻酔前に入れた痛み止めだけでは足りない場合に注射で入れたり、点滴で流します。
◎麻酔後
麻酔中に使う痛み止めには、効いている時間が短いものが多いです。
そのお薬が効いている間に、半日から1日効果が続く痛み止めをあわせて使うことで、痛みを感じる時間をなるべく作らないようにしています。
③痛みの感じ方は人それぞれ、わんちゃんと猫さんもそれぞれ
私は、私自身が痛みに弱いため、痛みでごはんが食べられなかったり、大好きなおもちゃで遊べないわんちゃん、猫さんのお話を聞くと、とても辛い気持ちになります。
わんちゃんの中には去勢・避妊手術の小さな傷でも元気がなくなる子や、猫さんはちょっとした歯の痛みでもご飯を食べない子も居ます。でも決して、大袈裟ではないと思っています。
処置や手術の後に、痛み止めを持って帰るかどうか先生から話があった時には、遠慮せず、わんちゃん・猫さんが痛みなく快適に過ごせる方法を一緒に考えましょう。

安藤 絵里加
ALOHA 獣医師
以前に住んでいたところで、爬虫類が好きな人と出会い、2017年と2021年に1頭ずつ飼い始めました。
日々の診療や麻酔管理では、出来るだけ動物が痛みを感じないように、治療に臨んでいます。
どのように治療していくのが動物やそのご家族にとって幸せか考えながら、ご家族とたくさんお話したいと思っています。
キャンプやアウトドアが好きで、休みの日はよく出かけています。