血液透析

少しずつ涼しくなってきましたが、まだまだ日中は暑い日が続きますね。
今日は台風が近づいているせいか、湿度も非常に高く、むしむししています。こういう季節の変わり目には動物たちも体調を崩すことが多いですから、日々の観察をおこたらないようにしてあげて下さいね。
さて、もうすぐ8月も終わりますが、この8月はAnimal Care-Hospital ALOHAは非常に忙しい毎日でした。近隣の先生からの紹介などの重症の子の手術や入院が多く、あっという間に8月が終わったという感じです。
とくにお盆前にご紹介頂いた子は急性腎障害(AKI)でした。急性腎障害(昔は急性腎不全ARFと言っていましたが、最近は急性腎障害AKIというようになりました)は様々な原因で起こりますが、治療は原発疾患の治療はもちろんですが、腎臓に対しては輸液(いわゆる点滴)を行い、腎臓の尿産生を挙げて、尿をたくさん作らせて、尿毒症物質を排泄させていくというのが治療の中心になります。
しかし、中には尿の産生がうまくできない状態(乏尿や無尿といいます)の場合があります。この場合はいくら点滴をしても尿が産生されず、むしろ体内に点滴で入れた水分が残ることで過水和という逆に動物の状態を悪くする事になってしまいます。
このような尿産生が少ない急性腎障害の場合、尿の産生が起こるようになるまでの間、腎臓の代わりに体内に蓄積する尿毒症物質を体外に排泄させる血液透析がもっとも有効です。もちろん、血液透析は腎臓の尿を作らせる治療ではなく、腎臓が自分で尿を作れるようになるまで体の負担を減らして持たせる治療になりますので、透析をするから100%回復するわけではありません。ただ、乏尿や無尿の場合、尿の産生が起こらなければ2〜3日で亡くなってしまうことが多いため、治療の効果が出るまで透析を行うことはとても意味のある治療です(というか、これ以外に助ける方法はないと思っています)。透析には血液透析以外に腹膜透析という方法もあり、こちらも良い方法ですが、動物の場合、除水という余分に入った水分を抜くのが腹膜透析ではうまくできない場合が多く、この点では確実に除水できる血液透析の方が優れています。
お盆の前にご紹介頂いたわんちゃんは、飼い主様がすぐに血液透析を決断され、およそ1週間の透析をおこないました。お盆の間も担当の獣医師と看護士が出勤して、毎日4時間前後の透析をつきっきりでおこないました。その結果、1週間くらいから尿の量が増えてきて、無事透析から離脱でき、今はすっかり元気になりました。この子は透析を行わなければ間違いなく亡くなっていたと思います。先日も飼い主さんにとても感謝していただき、担当していた先生はとても喜んでいました。血液透析はとても気を遣いますし、予定通りに行かないこともおおいため、透析中はとても緊張した状態が続いています。その努力が報われたので、担当の先生もほっとしたことでしょう。
実は、今も血液透析をおこなっている子がいます。透析自体はうまく行っていて、数値も下がり、とても元気そうです。ただ、まだ尿の量が増えてこないので、あとは尿の量が増えて、透析からはやく離脱できるように祈っています。がんばれ〜。


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