歯を切る前によく考えて下さいね

昨日、他院からの紹介で歯科処置に来院したダルメシアンのリュウ君。口臭がひどいと言うことで紹介元の先生のところで歯石除去をしてもらった時に犬歯の異常がみつかりました。リュウ君は若いときに(1歳前)にかみ癖がひどいと言うことで、歯の切断術を受けたそうです(今回の紹介元の病院ではないのですが)。切断した部分は、一応被せがしてありましたが、被せの素材は歯科用のレジンとは異なるようでした。おそらくその時の処置の問題か、あるいは処置後の感染の問題で、犬歯はすべて死んでしまったようです。今回紹介して頂いた病院では右の上顎犬歯に異常があると言うことで、確かにその犬歯は歯肉の後退もひどく、歯自体にも大きな穴が空き、そこには毛や歯石が詰まっていました(1枚目の写真)。それはひどい状態でした(2枚目の写真は穴に使った毛を取り除いた状態です)。しかし、麻酔をかけてよく観察すると、それ以外の切断した犬歯すべてに瘻管が形成され、犬歯の根っこのあたりの歯肉に穴があいて膿汁が出ていたり、犬歯と歯肉の間から膿汁が出たりしていました(3枚目の写真)。
デンタルレントゲンでさらに確認してみると、すべての犬歯は若いときに死んでいることが確認され、根尖(歯の根っこの部分)に化膿病巣ができていました。感染がひどくなければ歯内療法で歯を残すことができるのですが、ここまで来てしまったら、抜歯を行う以外にリュウ君の苦痛を取り除いてあげることはできません。
これらの事を飼い主さんにお話しし、犬歯4本の抜歯を行いました。抜歯した犬歯はすべて先程抜いた歯とは思えないような色をし(3枚目の写真)、若いときに死んだ歯のため根尖はすべて開いていて、真っ黒くなっていました(4枚目の写真)。本当につらかったのではないかと思います。
このブログでみなさんにわかって欲しいことは、かみ癖があるからと言って、安易に歯を切るということはやめようと言うことです。かみ合わせに問題があって、動物に苦痛がある場合、歯を切断するという処置を行うことは確かにあります。でも、かみ癖に対して歯を切るというのは、最後の最後の手段であって、その前に行えることはたくさんあります。とくにリュウ君のように1歳にもならないわんこの場合、行動療法で改善することも十分考えられます。実際、今のリュウ君は咬んだりすることはありません。ちゃんと処置を行えば、このようなことは絶対に起きませんが、まずは歯を切断する必要があるのかをよく考えて欲しいと思います。



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