歯科症例4 歯内療法

歯内療法とは、歯髄(いわゆる歯の中の神経です)を抜髄(抜き取り)し、なかに詰め物をする治療の事です。
どうしてこのような治療をするのでしょうか?それは、簡単に言うと「歯を残す」ためです。

抜髄しなければいけない歯は、どういう歯かと言いますと…すでに神経が死んでしまった(失活してしまった)歯です。
神経が失活したまま放置していると、後々神経が腐ってしまったり、時に感染を起こしたりします。
感染を起こすと、歯根膿瘍になってしまい、痛みが出てきます(歯根周囲に膿がたまり、ひどい場合は皮膚に穴が開いて膿が出ることもあります)。
動物の痛みを取る、または将来起こり得る問題を予防する意味では、抜歯も選択肢の一つですが、その場合は歯がなくなってしまいます。

歯内療法は「歯を残す」治療なのです。

症例(ウェルシュ・コーギー、2才、オス)

この子は半年前の交通事故により破折してしまいました。
検査で露髄(歯髄が露出している状態)を確認。時間の経過・歯髄の色から失活歯と判断し、歯内療法を実施しました。


 

こちらは治療前の写真です。
中心部の黒い点に見える部分が露髄している部分です。
(注:点が見えるから露髄しているというわけではありません。咬耗などでは、見た目は同じようでも露髄していないこともよくあります。露髄しているかどうかはエクスプローラーなどを使用して確認します)。


 

治療前の歯科レントゲンです。
破折した歯は、歯髄が反対側よりも太く、交通事故の時の衝撃で神経が死んでしまった(失活)ことが示唆されます。
感染だけでなく、衝撃などの物理的な影響でも歯は死んでしまうことがあります。ただ、この子の場合、歯根周囲に病変は認められませんでした。


 

歯髄の深さを測定し、抜髄、さらに根管の太さを拡大するためにファイルサイズを徐々に太くしていきながら切削します。
切削後、根管をしっかり洗浄・消毒します。


 

根管の処理が終わったら、ペーパーポイントで乾燥させ、その後ガッタパーチャポイントという根充する材料を入れていきます。
隙間があかないように詰めていきます。(歯から見えているカラフルなものがガッタパーチャポイントです。)
この後、十分詰めたら、余分な部分を切断し、さらに垂直方向に圧をかけた後にレジンでふたをし、研磨して仕上げます。


 

治療後のデンタルレントゲンです。根管内に十分根充されているのが確認できます。


破折は意外に多く、飼い主さんが気づいておられない事も多々あります。
パートナーの口の中は、日頃からチェックしてあげてくださいね。


写真:
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