炭酸ガスレーザーメスと言っても特別な手術を行うわけではありません。
炭酸ガスレーザーメスには、
- レーザーの当たってる部分以外の細胞の侵襲(ダメージ)が少ないため、手術後の切開部の腫れが少なく、痛みも少ない。
- とても小さなレーザー光なので、細かい操作が必要な場所の手術(目の周りや口の中)が簡単に行える
- ”蒸散”という細胞を蒸発させることができるので、皮膚などにできた腫瘍などを切開せずに蒸散させることができる
などの特徴を持っています。
そのため、まぶたや口腔内、肛門周囲の通常の手術では行いにくい部分の手術が簡単に行えるだけでなく、一般的な避妊手術などの皮膚切開も、術後の動物の痛みを最小限にすることが可能です。
また、皮膚の腫瘍の手術などは局所麻酔で行えることもありますから、麻酔のリスクの高い老齢動物などにも有効です。

老犬に多い腫瘍で、自潰と言って腫瘍がくずれて潰瘍を起こすことがあります。肛門の近くにできるため、比較的手術の面倒な腫瘍です。

術中の出血が少なく、また肛門括約筋を傷つけることなく、ピンポイントの手術ができる

老犬によく見られる体表の良性腫瘍です。犬の性格にもよりますが、局所麻酔のみで行うことができます。

蒸散を行うことで、抜糸も必要ありません。また、正常に発毛しますから、手術のあとはほとんどわかりません。
(この症例ではわかりやすくするために毛が刈ってありますが、普通、皮膚の良性腫瘍の蒸散の場合、毛刈りも行いません)

繊細な部分で、通常のメスであれば大きく切除することで、一時的に眼瞼の引きつりなどが起こりますが、炭酸ガスレーザーでは簡単に切除することができます。

手術した場所はほとんどわかりません。眼瞼の引きつりなどもありません。

良性の歯肉腫ですが、通常の手術ではとても再発の多い、獣医さん泣かせの腫瘍です。

低侵襲で切除が可能です。
このページに載せている写真はルミナスのHPからのものです。当院での手術の写真は「炭酸ガス手術症例」をご覧ください。