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幹細胞移植

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活性化リンパ球療法 椎間板ヘルニア 減感作療法 

病院日記

2010.10.01(金)

先日活性化リンパ球療法と幹細胞移植の事を書きましたが、今日も幹細胞の移植をおこないました。といっても、今日は幹細胞を増やすための脂肪の摘出をおこないました。
チワワのウッディー君は、突然の四肢麻痺で来院されました。MRIの検査で原因は不明なものの、急性の脊髄炎と診断され、その後、リハビリをがんばってきました。飼い主さんはとても献身的に介護もされ、積極的にリハビリをおこなっていますが、若干の改善はあるものの、半年以上たった今でも、まだ歩くことはもちろん、ふせの姿勢もとることができず、寝たきりの状態です。そこで可能性にかけて、幹細胞の移植をおこなうことになりました。
毛を5cmほど刈って、局所麻酔薬を注射し、消毒をして、特殊な器具で皮下脂肪を少しだけ採取し、培養を開始しました。培養した幹細胞をリッキー君に戻すのは2週間先です。ウッディー君は発症してすでに半年以上たっていますが、リハビリをがんばったおかげで筋肉は全くと言って良いほど落ちていません。だから十分可能性があると思っています。


この子はチワワのチビちゃん。
チビちゃんは昔から皮膚病に悩まされていたそうです。ALOHAに来院されたときには全身の多くの毛が脱毛し、ステロイドの影響から皮膚もぺらぺらになり、何カ所も出血を起こすほど掻いていて、元気もなく本当にひどい状態でした。写真からはそんなふうには見えないと思いますが、ものすご〜く良くなったんですよ。
飼い主さんも今までのステロイド中心の治療はもうしたくないというご希望でしたので(というか、明らかにステロイドによる副作用を併発していましたから、使いませんが)、ステロイドなどの強いお薬を使わずに治療をすることになりました。まずは全身の二次感染をコントロールし、おうちでスキンケアをがんばってもらいました。数ヶ月後には、全身の毛はかなり発毛し、まだ痒みはあるものの、見違えるくらい元気になりました。ただ、夏などには一時的に皮膚の状態が悪化することと、抗生剤などの二次感染の薬がなかなか減薬できないことから、飼い主さんとご相談し、減感作療法を今日から開始しました。
多くのアレルギーの治療が薬などで症状を抑えるだけの対症療法的な治療なのに対して、減感作療法はアレルギーを体に起こす物質に体を慣れさせていくという治療で、アレルギーを直接治療する方法です。WHO(世界保健機構)でも、減感作療法は「アレルギーの自然治癒を促す唯一の治療法」であり、また、「新たなアレルギーの発症を予防する予防的治療法」といっており、日本ではなぜか積極的におこなわれていませんが(花粉症に対してはおこなわれています)、欧米では人、動物共にアレルギーの治療として広くおこなわれています。
Animal Care-Hospital ALOHA、あそう動物病院ではアレルギーの治療として、この減感作療法も積極的におこなっています。
チビちゃんは今日が減感作療法の初日だったので、朝から夜までお預かりし、状態を確認しながら減感作をスタートしました。減感作療法は副作用は非常にまれですが、チビちゃんも副作用などはなく、無事減感作療法の初日を終えました。今後は定期的に通院してもらいながらの治療になります。
今よりも、もっと快適に過ごせるようになって欲しいです。チビちゃん、もう少し注射しないといけないけど、がんばろうね。


関連タグ 幹細胞移植 減感作療法 

投稿者:院長


2010.09.27(月)


Animal Care-Hospital ALOHAではついに念願の「活性化リンパ球療法(CAT療法)」と「幹細胞移植」を開始しました。
活性化リンパ球療法と幹細胞移植をやりたかったのには訳があります。
たとえば椎間板ヘルニアのグレード5で来院された子に、手術をし、確かに70%以上の子は歩くことができるようになります。それは本当にうれしいことですし、飼い主さんにも喜んでいただけます。でも、グレード5まで進行していると、残りの30%近くの子は、手術をしても神経学的な改善は認められません(グレード4まではもっと改善率がいいのですが)。少しでもその子達に歩けるようになって欲しいと思い、数年前からリハビリを積極的に行い始めました。確かにリハビリの効果はすばらしく、リハビリをがんばったから歩けるようになった子もいます。
でも、でも、それでも歩けない子もやはりいるんです。リハビリで脊髄反射を強めて、脊髄歩行を促そうとしても、脊髄反射は強くなるものの、歩行までいけない子もいます。
その子達を歩けるようにしてあげたいという気持ちで、次に目指したのが幹細胞移植です。
みなさんも、テレビなどで見られたことがあるのではないでしょうか?脊髄損傷で歩けなかった人が幹細胞移植をして歩けるようになったシーンを、糖尿病でインスリンの注射が必要だった人が幹細胞移植をおこなってインスリンの注射がいらなくなったニュースを、腎不全のマウスに幹細胞を移植して腎機能が正常になったというニュースを。
幹細胞移植には今までの医学では助けることのできなかった患者さんを救うことのできる可能性があると思っています(もちろん万能ではありません)。
幹細胞を移植することで、歩けるようになる子がいるかもしれない・・・そう思うと幹細胞移植を始めたいという気持ちが抑えきれなくなっていました。幹細胞移植のトレーニングに行く日程がなかなか調整がつかず、実際ははじめようと思い立ってから、実際にできるようになるまでに半年かかってしまいましたが、ついに幹細胞移植をスタートすることができました。
幹細胞移植というと(特に移植という文字があるので)ものすごく大変な事と、思われるかもしれません。でも、幹細胞移植をおこなうには、その子のパチンコ玉程度の皮下脂肪(局所麻酔で採取します)または1ccの骨髄液(短時間だけ麻酔が必要になります)があればOKです。採取させてもらった皮下脂肪や骨髄液を大切に、そして無菌的に培養して、その中に含まれている幹細胞を増やし、点滴などで体内に戻すだけなんです。手術などが必要なわけではありません。
今、原因不明の急性の脊髄炎の子、熱射病で間脳と大脳に障害を起こした子、椎間板ヘルニアの子が幹細胞の移植の準備に入っています。
この子達が立って、歩けるようになったら・・・泣いちゃうな、きっと。
なんか幹細胞移植で盛り上がってしまって活性化リンパ球療法について書けませんでした。こちらは、また次回(^_^)ノ


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投稿者:院長