人ではごく当たり前のようにおこなわれているCT検査。動物でも、近年はその診断能力の高さから、よく利用されるようになってきました。でも、なかなか飼い主さんにはCTでどのような検査ができて、どれだけ便利かということが伝わらないと思います。
そこで、ここではAnimal Care-Hospital ALOHA(福山動物CT・リハビリセンター)のCT撮影をおこなった症例の中からいくつかをご紹介しようと思います。

後ろ足の麻痺で来院されたダックス


この子は11歳のダックスで、後肢(後ろ足)の麻痺を主訴に主治医の先生から椎間板ヘルニアを疑って手術を前提にご紹介頂いた子です。ダックスで後ろ足の麻痺ということで、椎間板ヘルニアと同じ症状ですが、CT検査の結果、前立腺の移行上皮癌が腸骨下リンパ節に転移し、さらに腰椎(腰の背骨)に転移して骨を溶かしています。つまりこの子の麻痺は椎間板ヘルニアではなく、腫瘍が脊髄内に浸潤することで起きていた麻痺でした。

黄疸と腹痛を主訴に来院されたキャバリア


 
この子は黄疸と肝酵素の上昇、腹痛を主訴に主治医の先生からご紹介頂いたキャバリアで、CT検査で総胆管の拡張と、総胆管の十二指腸に開口する直前での胆石による閉塞が認められました。


大腿部の大きなしこりを主訴に来院されたMix犬


この子は大腿部のものすごく大きなしこりを主訴に来院された子で、細胞診で脂肪腫と診断しましたが、手術の前に、腫瘍がどのように浸潤しているのか、また周囲の血管などとの関係を確認するためにCT検査を行いました。検査を行うことで、腫瘍がどのように存在しているかがよくわかり、また重要な血管をさけて手術することができました。


ふらつきと食欲不振を主訴に来院されたチワワ


この子はふらつきと食欲不振を主訴に来院されたチワワですが、血液検査でアンモニアの上昇、肝酵素の上昇、アルブミン、BUN、コレステロールの低下を認めたことから門脈体循環シャントによる肝性脳症を疑いました。総胆汁酸の検査でも門脈体循環シャントを疑う結果だったためCT造影検査をおこないました。白く写っているのが造影された血管です。
この子の場合、門脈から奇静脈という血管に、本来存在しないシャント血管が認められました。今までであれば、門脈体循環シャントの確定診断には、開腹して門脈造影をおこなわなければなりませんでしたが、CTがあることで、わざわざ開腹をしなくても門脈体循環シャントの確定診断が可能になりました。動物への負担も非常に少なくなりました。
二枚目の画像は、同じ子のCT画像を3Dにしたもので、こうすることで術前にシャント血管のイメージをつかみやすくなります。このように3D構成できるのもCT検査の便利なところです。
この子は手術をおこない、元気に回復しました。肝臓の機能が低下しているために低値だったアルブミン、BUN、コレステロールも正常になり(これらのものは肝臓で合成しているので、肝臓の機能が低下すると合成ができなくなることで低下してしまいます)、元気に回復しました。


低アルブミンと肝酵素の上昇を主訴に来院されたマルチーズ


これは上と同じく門脈体循環シャントのマルチーズのCTを3D構成したものです。上の子は門脈ー奇静脈シャントというタイプの眠脈体循環シャントでしたが、この子は門脈ー後大静脈シャントのタイプです。2本の異常なシャント血管が、その後1本につながり、最終的に後大静脈に入っているのがよくわかります。
この子は手術で、肝臓の機能は回復し、肝酵素も正常になり、アルブミンも正常になりました。また総胆汁酸の検査も正常に戻りました。


首の痛み(頚部痛)を主訴に来院されたダックス


 
この子は首の痛みが強く、ギャンギャンないているということで、主治医の先生に紹介されて来院されたダックスです。CTで頸椎に椎間板物質の脱出が認められ、頸椎椎間板ヘルニアと診断しました。診断後、ベントラルスロットという手術を行い、手術の翌日には首の痛みも取れて、食欲もでました。


 
この画像は同じ子の脊髄を別の角度から見たものです。脊髄腔の中心に下側から椎間板物質が脱出して脊髄神経が圧迫されているのがよくわかります。


 
この画像は正常の脊髄です。上の画像でどれだけ圧迫があるかよくわかると思います。


このようにCTは診断に非常に便利な機械ですが、飼い主さんは画像を見ても、なかなかよく分からない場合があります。そのような場合は、CT画像を3D構成して、飼い主さんにわかりやすくご説明することもあります。
上の頸椎のヘルニアの子の画像を使って、説明します。


 
まずはCT画像を3D構成したところです、骨が一部透けていますが、筋肉の走行やなども見えるのがわかりますか?


 
次はもう少し設定を変更して、少し骨が見えるくらいにしたところです


 
さらに透過させて、骨だけにしました。こうやってだんだん透過させると、飼い主さんもイメージしやすいですよね。


 
この3Dの画像はこのように回転させて、別の方向から見たり


 
拡大することもできます。


 
では今回の病変も場所を拡大してみます。この画像はまだ骨を外から見ていますので、脱出した椎間板物質は見えませんね。次の画像はこの画像を薪を割るように、まっぷたつに割った画像です。


 
図で示した場所に骨のように突出した椎間板物質が見えるのがわかりますか?
こういうふうにすると、飼い主さんも病変の場所や、程度がイメージしやすくないますよね。


CTというと椎間板ヘルニアと思われている飼い主さんもたくさんいらっしゃるかもしれません。確かに椎間板ヘルニアにも非常に有効ですが、それ以外に腫瘍の手術前のプランニングや浸潤の具合、あるいはその他の内科疾患に対しても非常に有効な検査です。
ここにのせたのはホンの一部で、実際にはもっとたくさんCTの便利さをわかってもらえる症例があります。それはまた、どんどん載せていきたいと思います。


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